ラノベ感想会~愛原そよぎのなやみごと 時を止める能力者にどうやったら勝てると思う?~

例大祭カタログとか出てあーもうそんな時期かと春の訪れを感じます。
今年は声月参が5月の1週目にあってそっちにはいきたいと思うけれども例大祭は…という感じなんですよね。
だって例大祭ってねぇ…年々運営が何やりたいんだかわからんことやってるし、一般参加したら決まったとこだけ回って帰るしかやることがない。
初参加の時はもっと頒布スペース広くて色んなとこ見て回れたんですけども。
申し込みサークルが減って島縮小したんじゃなくて変なブース設置するために縮小してるからなぁ…さてどうしようか。

本読みました。


愛原そよぎのなやみごと(以下略です。
先月末に出たファミ通文庫の新刊でございます。
発売前から目をつけていたのでニコニコ電子書籍で買おうと思ったらファミ通文庫取り扱ってないっていうね。どういうことですかニコニコさん。
カクヨムの賞をとった作品は今年入ってからちょくちょく文庫化されているのを見かけますね。
初めて見たのは女装主人公が男女かまわずハーレムを形成してしまうという作品で…カクヨムではなんか毛色が違う作品が流行ってるのかなという印象。
なろう発は随分最近まで買ってませんでしたが、わが友ファミ通文庫から出てるのでカクヨム作品は早々に押さえることになっております。

いつもの感想は追記から。
今回は致命的なネタバレあります。いつも通りだと思わないことだな!
さて本作はもうタイトルが示す通り、放課後二人きりの教室内、夕焼けに染まる空間で神妙そうな雰囲気をした彼女を見つける。
その彼女に片思い中だった主人公が勇気を出して声をかけると話しても笑わない?というセリフと共にあるなやみごとを告げられる。
その彼女が抱えている突拍子もないなやみごととは…というあらすじです。

そのなやみごとというのが『時を止める能力者にどうやったら勝てると思う?』というもの。
中二病患者特有の痛いやつかな?と思ったら彼女はどうやら魔法少女をやっているらしい。
本人が言ったわけでもなく隠そうとしてバレバレなのを主人公が予想しただけですが…
そんな境遇を超速理解しつつ、ただの友人からのなやみごと相談という体で彼女と主人公の関係が始まる。

最初は一般人が異常事態に巻き込まれちゃう系のアレかと思ってましたが、中盤から普通に日常回が繰り広げられていく。
彼女の親友であり同業者という人々と出会い近づくな、という脅しを受けたり章間で妙なフラグを立てつつも愉快なノリで作品が進む。
魔法少女の設定を忘れかけた終盤に差し掛かって突如超展開。
主人公はなんともう一人の人格を宿した魔法少女の監視人であり、愛原そよぎを調査するために別次元から魂だけやってきたのだ!
その後専門用語や彼女たちの過去、怒涛の後付け設定がおよそ12ページに渡って語られ、主人公パワーを発揮してハッピーエンドに、いざゆかん!

……とこれだけ書くと小説初心者がノートに書きなぐったような展開と構成。
はっきり言ってクソラノベといわざるを得ないのでは…?
と言いたいところですが本作の真価はそこではありません。
一見すると痛い設定、ぶつ切りだらけの粗い構成に見えますが全体を通して読者をうならせる仕組みとなっています。

本作の芸風はいわゆるメタコメディ。
ありがちな設定や展開という題材を作品内のキャラクタが皮肉る手法が多くみられます。
既存の展開にはとにかく乗らない、お約束は全力で否定していく。
二次元と現実を一緒にするとかマジヤバいよねギャハハ!とメタメタにメタってからの終盤の超絶怒涛のテンプレ展開です。
あの伏線はこういうことだったのか!とかこれにはこんな理由が…という驚きもないこともないですが、ここまでメタメタにやっておいて最後は普通にラノベのテンプレに乗って〆ていくというあまりの手のひら返しっぷりに驚かされる。
ここまでやってるんだから最後もどうせご都合主義に頼らない解決するんだろ?と思わせておいてのこの裏切り。
作品内容だけでなく全体のテーマまで使って読者を驚かせに来るとは思わなかった。

その全体の構成もさることながら本作の文体はとにかくテンポが良い。
掛け合いだけでなく主人公の一人称たる地の文も小気味良い単語が並ぶ。
特に頻繁にあるガチ口喧嘩のシーンやネタのチョイスも攻め攻めに攻め抜いて読者を攻め立ててくる。
独特の文体というわけではないですがそれゆえに初見でも馴染みやすく感じました。

というように全体として技術の高さを感じさせる作品だったのですが、キャラクターに関してはあまり印象に残ることはなかった。
まず主人公からして終盤で正体がわかるまでどのような人物かほとんどわからない。
突如として生涯孤独であるといった設定がさらっと明かされるが交友関係も周囲からの印象も語られず、全く知らない人の夢を見ているような感覚に陥る。
ヒロインの親友も別にあのキャラではなく誰でもよかったような気がするし全体的にその場限りの登場人物感が強い。
ヒロインは多少描写が多いもののこの存在不明の主人公からは伝わってくる魅力も薄くそれ以外よりはマシ、というだけ。
いわば全員が脇役みたいなポジションに収まっているのが気になった。

メタネタを扱う都合創作寄りのキャラクターは作りにくくなるのである意味当然の結果ともいえる。
一応ヒロインの弟は若干10歳にしてバイで実姉を性的に愛し主人公をも性的に狙っており趣味は女装オナニーと非常にキャラが強い。
……がこれはあまりにも強すぎてメタの中できかせるスパイスというかもはや劇薬である。
テンプレに対するメタ要素としては非常に効果的な使われ方はしてるけど。

とまぁ私の感想文ではおそらく本作の真価は伝わらないと思われます。
これはね…やっぱり読んでみないと…
使われている題材はありふれたものですが使う人が使えばこんなものになるんだ!という発見を与えてくれる作品ですね。
Amazonレビューでは続刊を望む声が多いですが個人的にはこれ単体で完結しているので、正直でないでほしい。
この作者は全体通した書き方で即興小説みたいなのが得意なんじゃないかな?と思ったので続きモノではなく新しい題材で見てみたいですね。

星いつつ。
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イラスト描いたりゲームしたり、PCから離れられない生活をしているかと思えば突然お外に出てアクティブになったりするナマモノです。
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